「南三陸のためにたくさんのことをしている人がいることが嬉しかった」地方でもいろんな働き方がある~新しい学習会の取り組み~

キッズドアが宮城県南三陸町の子どもたちを支援して11年を迎えます。

震災後、数多くの芸能人や著名人が南三陸町を訪れることがあり、日常生活では出会うことのない人たちとの出会いや交流がありました。

最近はそういったイベントも少なくなり、子どもたちが多様な生き方やキャリアに触れる機会が減っているのではと感じています。

今年度、新たな学習会での取り組みとして、
震災後に南三陸町に移住してきた方をお呼びして、志津川中学校の3年生と「ミニトーク」を企画しました。

震災後に南三陸町に移住してきた方がゲストスピーカーになりました。

NPOで女性の支援に取り組んでいる方やリモートワークをしつつ、トレーラーハウスの制作をされている方、
町内のPR動画の制作や起業家支援に取り組まれている方など、多様な働き方ををされている方が南三陸町にはたくさんいらっしゃいます。

町外から移住してきた方達だからこそ、南三陸町の魅力を再発見してもらえる機会になる。

子ども達にとって、地元で生活している身近な大人として、より近いロールモデルになるのではないかと考えました。

話を真剣に聞く生徒たち

初めに子ども達がどのような職業に関心があるのか、将来仕事をする上でどんな価値観を大切にしたいと思っているのか、ワークショップを通じて具体化しました。

公務員や美術教師を考えている生徒。
看護師を目指している生徒。
将来文房具メーカーでデザインをしてみたい生徒。
プログラミングやリモートワークに興味があるという生徒もいました。
現段階でも生徒たちは幅広い職業に興味を持っていることがわかりました。

それらを元に、子ども達の興味関心に沿う5名の移住者の方々にそれぞれお声がけをし、ゲストスピーカーとして子どもたちへ自身の価値観や体験、どんなキャリアを描いてきたのかを座談会形式でお話しして頂きました。

南三陸観光協会 佐藤 快成さん
株式会社ESCCA 鈴木 麻友さん
特定非営利活動法人 ウィメンズアイ 栗林 美知子さん
平山 太一さん
株式会社はなぶさ 安藤 仁美さん

海外経験豊かな平山さん

例えば、平山太一さんは、海外経験が豊富。

イタリア・イスラエル・インドなどの街並みや絶景と呼ばれるウユニ塩湖の写真を紹介した際には

「インスタで見たことがある!」

「今までは海外に行こうと思っていなかったが、少し海外に行ってみたくなった」

「海外に行きたいと思った。英語が大切だと思ったので英語の勉強を頑張ります!」

といった声が上がっていました。

特に女の子達は「ここ綺麗だよね!」「見たことある?」と盛り上がっていました。

平山さんから「インドの首都はどこか分かる人?」と質問した際に
「ニューデリー!」と生徒達がしっかりと答えられていて、びっくりしました 笑

終わった後には

「これまで行った国の中でどこが一番良かったですか?」と質問が飛び出し、
今まで海外への興味が薄かった生徒も興味を持ってくれたように思いました。

ウユニ塩湖の様子を紹介

他にも

「地方だからできないということはない」

「南三陸は海もあって山もあってアウトドアを満喫できる良いところ」

「この地に移住してきて、自分がやりたいかどうか、自分の感覚で仕事ができるようになった」

などたくさん感想が出てきました。

ゲストスピーカーの方々の言葉を通じて、普段当たり前のように生活しているなかにも身のまわりに多様性がたくさんあることや、自分がどんな風に生きたいのかについて考えるきっかけとなりました。

一方、話してくださったゲストスピーカーの方からは、

『受験本番前の、ちょっとした息抜きになってくれたら嬉しいです。住民としては、この勉強会が南三陸で続いてくれることを願っています。』

という感想を頂き、今回、移住されてきたゲストスピーカーの皆さんとの交流を通じて、活動を続けてきた意義を改めて感じることができました。

キッズドアでは、これからも学習支援だけではなく、
体験活動の提供や様々な人達との繋がりを生み出していくことで、南三陸町への支援を継続していきます。

ゲストスピーカーの皆さま、ありがとうございました。
引き続き、他のゲストスピーカーの様子は別記事にてご報告させて頂きます。

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