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【モリウミアス卒業旅行】

2019.4.29(月)~5.1(水) 2泊3日
モリウミアス卒業旅行

厳しい環境にも負けず受験を頑張った子どもたちに最高の想い出を!

“高校にいってもくじけないように仲間の絆を強めよう!”とはじまった、宮城県石巻市にある自然体験施設「モリウミアス」への卒業旅行。
今回のこの卒業旅行も、皆さまのご寄付によって実現しました。
支えてくださった皆様に心から感謝いたします。

3年目となる今年は、34名の生徒と引率スタッフ12名が参加。今年から宮城県仙台市でキッズドアが運営する学習会も初参加となり、異なる地域から参加した初対面同士の子どもたちが、グループで協力しながら3日間を過ごしました。たくさんの自然に触れ、貴重な体験を通して仲間と絆をつくり、成長して帰ってきました。

<1日目>
★モリウミアスに到着!

自然いっぱいのモリウミアスに到着しました!

先に着いた仙台チームは、施設見学と動物との触れ合いを楽しみました。

初めてニワトリを抱っこしたり、たくさんの雌をたった1羽の雄が守っていることを知りました。
室内で飼っているウズラの赤ちゃんもかわいい。

昼食は、添加物無し!ルーを使わずに、本格スパイスで作った石巻野菜カレー!みんなで美味しくいただきました。

食堂には芸術作品が並んでいました。

昔、小学校だったモリウミアスには、体育館も残っています。当時の校歌や閉校式の立看板、卒業生の寄せ書きなども残されていて、とても懐かしい雰囲気が漂っています。

★野外炊飯に挑戦

東京・仙台の生徒8~9名+スタッフ2名が一緒になり、4つのグループチームを作りました。

チームワークを発揮して、野外炊飯!
働かざるもの食うべからず。美味しいごはんを食べるために、火おこしから頑張りました。

火をおこすのって、けっこう難しい~!
スタッフ分も含めて「50合」のお米を炊くのは、とても大変な作業。
煙が目に沁みる…苦戦しながらも、皆一生懸命に炊飯していました。

★グループワーク
一日の振り返り
花火~肝試しと盛りだくさん

夕食の後は、まだぎこちなさが残るグループの絆を強めるため、アクティビティーで競い合いました。
他チームが答えられない難問を考えるなど、頭をフル回転させながら、どうやったら勝てるか真剣な様子でした。

ワークの後は、1日の振り返りタイム。
「食器洗いをみんなで協力してやったり、楽しく過ごすことができました。毎日がいい経験になりそう。明日も楽しみです」
「優しい人ばかりでビックリしました。人見知りの私にも積極的に声をかけてくれてうれしかった」
そんな感想がみられました。

長時間のバス旅で疲れているにもかかわらず、花火・肝試しまでずっと賑やかに、皆とびっきりの笑顔で楽しんでいました。


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<2日目>
★モリウミアスの人たちの想いを聞く

2日目は、漁業体験のアクティビティーをするはずでしたが、あいにくの天候により船を出すことができなくなってしまいました。
一番楽しみにしていたプログラムを体験できなくてとっても残念。
室内でできるプログラムを、ということで、モリウミアスで働くスタッフの皆さんのこれまでの人生談と、モリウミアスへの想いについてお話を伺いました。

雄勝町出身で震災当時に中学生だったというスタッフの方は、ボランティアによる学習支援を受けたことがあるというお話もされました。家族のこと、地域のこと、色んな想いがあって今はモリウミアスで働くことを選んだそうです。

これまでどんな人生を歩んできたかの話を聞いて、これから自分が進む道を決める参考になりました。

★アートワークショップ

午後には、ますます雨がひどくなりました。
室内でできるプログラム第2弾は、映像アーティストの方から手ほどきを受け、自分たちで作品を作るというワーク。
モリウミアスでは、アーティストの長期滞在を受け入れています。館内の至る所に飾られている作品も、これまでに滞在したアーティストたちが作製したものです。

今回はNY出身というアーティストお二人が、映像作品はどんな風に作るのか、実際自分たちが作った映像を見せながら、丁寧に説明してくださいました。
ちゃんと英語聞き取れたかな?

各グループの中で、監督・カメラマン・音声・演技者を決め、俵万智さんの 短歌をイメージした映像を作ることになりました。そうは言っても、短歌の解釈をすること自体が難しく、「意味が分からない~!」と頭を抱えているチームもありました。
一方で、監督が熱い指示を飛ばしているグループや、短歌の世界を映像で表現するという芸術を楽しめたグループもありました。

★キッズドアスタッフと子どもたちとの語らい
令和へのカウントダウン

夕食後には、最後となるグループ対抗アクティビティーを行いました。
これには、キッズドアスタッフ大人チームも参戦。優勝は子どもチームでした!

その後、各グループに分かれ、メンバーへの想い、2日間の感想などをシェアしました。そして、キッズドアスタッフ自身も自分の想いや人生談を子どもたちへ伝える時間を持つことができました。
今回の旅では、初対面の生徒やスタッフも多かったのですが、このワークでお互いを深く知ることができ、信頼の気持ちと絆がグッと深まりました。

この日は、平成最後と卒業旅行最後の夜が重なっていたこともあり、起きていたい人みんなで「令和カウントダウン」をしました。カウントダウンコールは大盛り上がりで、大興奮の様子でした!

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<3日目>
★モリウミアスとお別れ

最後の朝は、東京チームが帰りのバスで食べる「おにぎり」をつくり、バスに積み込みました。
この3日間の間、食事の準備や後片付けは、子どもたち自身でしっかりとやり遂げました。毎日家でやっていてとても上手な子もいれば、ちょっと苦手な様子の子もいました。

宿泊したお部屋の清掃、荷物準備、忘れ物チェック、そして、最後にモリウミアスのスタッフの皆さんへお礼の挨拶をしました。

バスが見えなくなるまで、ずっと手を振ってくださったスタッフの皆さん、3日間本当にありがとうございました。
どの子も口々に「また絶対に来たい!」と言いながらお別れを寂しがっていました。
連日の雨で体験できなかった「海」「山」のプログラム、絶対リベンジしなきゃね…!

★雄勝ローズファクトリーガーデン
語り部EXPERIENCE“3.11”

モリウミアスをあとにし向かった「雄勝ローズファクトリーガーデン」は、津波で壊滅した石巻市雄勝町を“花と緑の力”で復興するため、被災した住民とボランティアによって作られた美しい庭園です。

代表の徳水利枝さんが、震災の語り部をしてくださいました。
津波の恐ろしさ、生と死を目の当たりにした経験を映像を交えて涙ながらに語ってくださいました。
誰一人集中力を切らすことなく話に聞き入っていました。
家族の霊を弔うために、実家跡地に花を植え始めたのがきっかけで、たくさんの人へ想いが受け継がれここまで大きくなったのだそうです。
お話の後は、みんなでお庭のお手入れをお手伝いしました。

気づくと雨も上がり、薔薇の花々が輝いていました。そして、この充実した3日間を物語るように、あちこちで笑顔の花が咲いていました。
最後は、バスの発車時刻ギリギリまで、仙台・東京メンバーそれぞれが、別れを惜しんでいました。

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<参加した生徒の感想>

「初めてのことばかりで楽しかったです。震災の話は聞いているだけでもつらかったですが、自分には何ができるのか色々考えさせられました。3日間でいろいろなことを学びました!」

「3日間すごく貴重な体験をさせていただき、最高の卒業旅行になりました!最高の思い出になりました。おいしいご飯と心あたたまる宿で過ごせてとても楽しかったです!ありがとうございました。」

「朝に皆のおにぎりをつくったり、お皿洗いなどをしてたくさんお手伝いをすることができました。少しでも貢献できてよかったと思いました。この3日間、様々なことを学び成長することができたと思います。モリウミアスに来てよかった!!」

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長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
モリウミアスへの卒業旅行は今回で3年目になります。この卒業旅行を実施する以前は、高校進学後、新しい学校で友達や先生に馴染めず、厳しい家庭環境などで中退や不登校になってしまう生徒も少なくありませんでした。
1年目に参加した子どもたちの多くは、現在高校3年生になり、中退する生徒もほとんどなく大学進学や夢を実現する就職に向けて資格取得に目指すなど素晴らしい成長をしています。
今年、卒業旅行を体験した子どもたちも、この思い出を胸に決して楽ではない高校生活を乗り越えて、これから自立の道を歩んでいくでしょう。

この卒業旅行は、たくさんの方からの寄付で実現しました。改めて、支えてくださった皆様に御礼申し上げます。

来年の新高校一年生も、ぜひモリウミアスに連れていきたいと思います。

これからも、キッズドアへの応援をどうぞよろしくお願いいたします。

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