南三陸町での漁業体験(キッズドア食育プロジェクト)

2023年10月28日(土)。農漁業体験の第3弾となる当日はお天気に恵まれ、絶好の船旅日和!
宮城県南三陸町の漁師さんにご協力いただき、私たちは漁業体験を行いました。

南三陸町は宮城県の北東部沿岸に位置し、2011年3月11日の東日本大震災では甚大な被害を受けました。
三陸のリアス式海岸にある南三陸町は昔から漁業が盛んです。

仙台からバスで揺られること1時間半。
普段住んでいる地域では感じない磯の香りがしてきます。

南三陸町歌津、泊浜漁港に到着すると漁師さんたちが出迎えてくれました。

潮風を感じられる秋晴れの泊浜漁港
漁師さんから南三陸町が誇る海について教えていただきました。
日本でも有数の豊かな海とそこで捕れる海産物。そして、今直面している環境問題…。
海水温の上昇で、今まで大量に捕れていた魚がとれなくなってしまったり、逆にこれまで見たことのない魚が獲れることが増えるなど、漁師のみなさんも新たな問題に頭を悩ませているそうです。

直接聞かないと知らなかった海の環境問題について教えてもらいました。

漁業体験は2チームに分かれて行いました。
一つのチームは、漁で使うロープワークにチャレンジ。

ロープワークで漁師さんが教えてくださったのは「もやい結び」という結び方。
簡単そうに見えましたが、実際にやってみると紐の向きや紐を通す方向に細かい注意が必要になり想像以上にむずかしかったです。

「この結び方は、震災時の避難や救助にも使えるんですよ」と漁師さんから教えていただき、みんなで協力しあいながら習得していきました。

もう一方のチームは、実際に漁師のみなさんが乗っている漁船での遊覧。

ふだん乗る機会のない漁船に大盛り上がり!
味わったことのない海上の揺れや、波に歓声が止まりません。
天候にも恵まれた日だったので、湾内を巡ったあとに、ご厚意で漁船の操縦もさせていただきました! 

貴重な体験をありがとうございます。

お昼ご飯はバーベキューとわかめの食べ比べです。

南三陸町で捕れるワカメは国内トップクラスの品質です。

実際に採れたてのワカメと、ホームセンターで売っているワカメを食べ比べします。
どちらが採れたてのワカメなのかクイズを楽しみました。
南三陸町のワカメは波の荒い外洋で育つので、肉厚となり食感がよく、ぷりぷりしています♪

さらに、海にはどんな生き物が生息しているのか、漁師さんがあらかじめ海中に「しかけ」を用意してくださってました。

しかけをみんなで引き上げてみると、カニやウニが入っていました…!
「ウニが獲れるなんて~!!!」と声があがります。
しかし、「これは食べられるウニではないんですよ」と漁師さんから教えてもらいました。

今、南三陸町の海ではウニが大量発生しており、ワカメや海藻をエサとして食べ荒しているのだそうです。
見えない海中で知らなかった事実を教えてもらいました。

栄養豊かでおいしく味わっている海の恵みですが、一方で、環境に左右される繊細さも痛感しました。
おいしい食事のために、普段から私たちができることはなんだろう?と考えさせられる一日でした。

一日中、たっぷり南三陸町の海を体験した参加者のみなさんの中には「帰りたくない」なんて声が聞こえてきました。

「学校の授業で知ってはいたけど、実際に南三陸町に来て、体験して、学びがすごく深まった!」
「今度、学校の研修旅行で宮城の魅力を発信しなきゃいけないので…。今回の体験を参考にがんばります!」と
貴重な経験にそれぞれ気づきを得た様子でした。

 お子さんと一緒に参加された保護者の方から
「忘れられない思い出です。今まで旅行などさせてあげられませんでしたが、このような機会を作っていただきありがとうございました!」と
うれしい感想が寄せられました。

南三陸町泊浜漁港の金毘羅丸の漁師の皆さん、今回は大変ありがとうございました。

キッズドアでは、「消費・安全対策交付金のうち地域での食育の推進事業」として、
1、共食の場における食育活動
2、食文化の保護・継承や日本型食生活の実践のための取り組み
3、農林漁業体験の機会の提供
を行っています。

2023年10月に、キッズドア食育プロジェクト 農林漁業体験として、3つの体験ツアーを企画・実施しました。
①福島県二本松市での農業体験
②山形県天童市での農業体験
③宮城県南三陸町での漁業体験
農業体験の様子は下記の記事をご覧ください。

①福島県二本松市での農業体験
つなぐ棚田遺産で農業体験(キッズドア食育プロジェクト)

②山形県天童市での農業体験
旬の味覚を味わう。ラフランス狩りと山形芋煮の農業体験